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「自分にどのようなメリットがあるか」を顧客が理解するためにブランドができること

「自分にどのようなメリットがあるか」を顧客が理解するためにブランドができること

多くの人は一度耳にしたことがあるかと思いますが、繰り返しリマインドしておくべきでしょう。人々は、「自分にどのようなメリットがあるか(WIIFM)」にこだわっています。そのため、ビジネスで成功するためには、顧客の人生をより良くするもの—何か素晴らしくて新しい「自分のためになる」製品やサービス—を提供するだけで十分であるのです。シンプルでしょう?

しかし、そう簡単ではありません。

一方的に提案をするだけではいけないのです。成功したければ、顧客側も企業の提案内容を理解している必要があります。その理解を図るために役立つこと(実際には不可欠なこと)が2つあります。1つ目は顧客への提案を明確に述べる(つまり、文字に起こす)こと、そして2つ目はその内容を魅力的な方法で伝えることです。

1つ目の言語化は、典型として戦略的な価値提案の形でみられ、パーパス、ミッション、ビジョン、UVP(自社ならではの価値)などビジネスの業界用語としても知られています。どのような呼ばれ方であれ、価値提案は組織が提供できる「理由」、つまり顧客に対する約束、顧客から見てあなたの会社が存在する理由であります。

価値提案をシンプルかつ説得力のある形で表現することが企業ブランドの役割です。ブランドは提案の戦略的な本質を汲み取りますが、それは合理的であることがほとんどです。そして、熱意、感情、個性、またシンボル、元型、詩などの超合理的な力を与えます。

BMWは顧客に心躍るようなドライブの提供を約束しています。BMWのブランドは「究極のドライブマシン」というキャッチフレーズを採用していますが、その約束は単なる言葉以上のもので伝えられます。ショールームの装飾や写真のスタイルから車のエンジン音、組織文化、スポーツスポンサーシップなど、ブランドが行う全てのことに秘められているのです。

Disney、Apples、Caterpillarなどのブランド主導の組織も同様です。これらのブランドの取り組みが全ての顧客接点において一貫していて説得力があるほど、価値提案の本質が顧客に伝わりやすくなります。

ブランドが力強いとき、顧客は「自分にどのようなメリットがあるか」を理解します。

また、社員が理解し、当事者意識を持てるように組織の戦略的な価値提案を変えていくためにも、ブランドは不可欠です。効果的な社内向けブランディングは、顧客との約束をどれだけ実現しているかを評価する尺度を提供することで、組織全体を顧客志向に導きます。これはシンプルな戦略的な質問から始めることができます。社員が何かをする前に、「これはお客様に『価値提案』をするのに寄与しているか?」と自分に問いかけるのです。組織としての目標を業務全体に結びつけることで、共通認識としての目標と、一人一人の社員にモチベーションを高めるような目的意識をブランドは与えます。

驚くべきことに、多くの企業は戦略的な根本を定義することに取り組まないか、あるいはその価値提案を策定した後に、そのブランドを活用して提案を顧客と社員に伝えることに失敗しています。

何とももったいないことです。ブランドの最も重要な役割、つまりビジネスの成功に対する最大の貢献は、組織の根本的なパーパスの理解を育むことです。

ブランドはこの理解の育成に加えて、もう2つの基本的な機能を持ち合わせています。認知を確立すること、そして共感を生むことです。直近の投稿では、3つのブランドの機能について述べ、ブランドの最も重要な役割は理解の育成ではなく、共感を生み出すことであると主張しました。

主張が矛盾していることは承知しています。ブランドは幅広く、多様な要素を含んでいるので、頭を柔らかくして受け止めて頂きたいと考えています。

このブログには、隠れた使命がずっとありました。ブランドの機能は全て不可欠で、ビジネス面で利益を生み出すのに非常に生産的であると示すことです。そう、顧客との強力な約束を通じて理解の促進を図るときに、ブランドは組織にとっての価値をもたらすのです。そして、共感を生み、組織に人間味をもたらすときにも価値を生み出すのです。これら2つのブランドの機能は連動していて、また相互に補強し合っています。それらを引き離すことはできませんし、そうすべき理由もありません。

それに加えて、3つ目のブランドの機能である認知の確立も忘れないようにしましょう。これは理解や共感の確立が前提になければ生まれません。

ブランドが組織に本当に価値を加えるかどうかについて、議論の余地はありません。多くのブランド主導のB2C企業にとって、企業ブランドは市場価値の半分以上の価値を占めます。また、B2B企業にとっては、ブランドが全価値の20%以上を占めることがあります。

ブランドは見栄えを良くするためにただ存在しているのではありません。成長と利益を生み出すという役割を果たすための、戦略的な資産であるのです。しかし、それを実現させるためには、ブランドを活用することが欠かせません。